うけとめる

背景画像は,鶴崎亜紀子様のコラージュ作品「ネコ: Cat」です。


次の3つの音源は、ドイツ生まれの音声ファイル共有サービス ” SoundCloud(サウンドクラウド) ” に置いています。

このページを離れて同サイトに飛び、私のチャンネルでお聴きいただくこともできます。


17th harvest

音の栞  ~ 小説『おまわりさんと招き猫』へのファンアート

( 著者: 植原 翠 先生 ことのは文庫 )

第1巻: 2021.10.20  あやかしの町のふしぎな日常

第2巻: 2022.12.20  おもちとおこげと丸い月 

第3巻: 2023.11.20  やさしい手紙と雪の町

書影: 紺色のエプロン様(@konn_irono)


(=^・^=)  はじめに 

植原 翠先生の『おまわりさんと招き猫』は、大人の女性に向けたレーベル「ことのは文庫」から刊行されているシリーズです(*1)。

私は勝手に、〈おま猫〉と称して愛でています。

 

どんな物語かというと、ライター嵯峨景子様の貴重なインタビュー記事の要約が言い得て妙なので、ここはもう、あっさりと引用させていただくのが吉です(*2  丁寧に本作品を読み込まれてまとめられた良い記事ですので、ぜひ全文をご覧ください。)。

 

のどかな海辺の町の交番に住みつく、人間の言葉を話すふっくら太った猫「おもちさん」と、新米おまわりさんの小槇くんを中心に、人とあやかしの不思議な交わり、そして人と人との切なく温かい関係性が描かれる本シリーズ。あやかしの存在やささやかな謎を軸にしてストーリーが紡がれてゆくが、何よりキャラクターたちからにじみ出る優しい手ざわりが大きな魅力になっている(本文5ないし9行目)。

 

何とも余裕がないギスギスとした世の中。

私も、この町の寛容さにとても心地よい肌触りを感じています。

そんな、人と人ならざる者とが、絶妙な距離感で共存している「かつぶし町」を舞台とした物語です。

 

(=・ω・=)  本曲について

第1巻を楽しんでいた間、その感触の源は何だろうと思っていたところ、あとがきに、

 

相手の言葉を聴いて、分からないところも分かるところも、受け止める。それが相手を想うということなんじゃないかなあと、そんな気持ちを込めた物語です。

 

とありました。

私は、この「受け止める」なんだと腹落ちし、物語の肌触りをアーカイブすることも含めて、あとがきの趣旨を踏まえた音の栞を作ってお届けしようと思いました。

タイトルは勿論、『うけとめる』の一択です。

 

詞に込めた関係性は、上述の記事にいう「人と人」や「人とあやかし」です。

もっと大枠でみると、「町と人とあやかし」でもあり、互いが否定することなく、無条件にそのままの相手を受け入れる世界です。

特に、「人とあやかし」の関係でいえば、おもちさんが人に寄り添う場面のほか、私の妄想としては、昔々、おもちさんが人里に姿を現すきっかけとなったファーストコンタクトのような光景も浮かびます。

 

ところで、「受け止める」を「受け入れる」と言い換えると、溶かして取り込んで一体化するようなイメージを感じます。

水は物を溶かす天才といわれていますので(*3)、かつぶし町が海辺にあるというのは、興味深い偶然でしょうか。

 

また、私の中にあるかつぶし町を象徴する風景は、神様の使い「おあげ」ちゃんが、夕刻の高台から見るそれです(末尾のファンアート画像をご参照ください。)。

その懐深く穏やかな景色に流れるような、アコースティックギターとエレクトリックギターにピアノを添えたサウンドを思い描き、アレンジャー様に託しました。

言葉のひとつひとつが慈しむように丁寧に歌われ、その終わりのピアノのいち音は、綺麗な軌跡を描いて宙に消えていきます。

ピアノソロも添えました。

 

(*˃ᆺ˂)  最後に

この物語は、ウエブ上に公開されたものが版元さんの目に留まって展開に至った幸運な作品と聞きます(前出記事)。

編集御担当様は、まるで招き猫に引き寄せられたかのようですね。

普段は表舞台に出ることがないお仕事の様子を遠見してみると、本シリーズを厳しくもいそいそと育成される様が垣間見えます(版元さんの公式Twitterの動画「おもちさん描いてみた」に手タレさん的な御出演あり。)。

そこでこれを機に、いち読者としての敬意を表すべく、 "Omaneko-Breeder" の称号を贈らせていただく次第ですにゃ。

 


*1 ことのは文庫特設サイト

https://kotonohabunko.jp/special/omawarisan/

 

*2 総合カルチャーサイト「リアルサウンド」  引用許諾済み

2023.2.28『おまわりさんと招き猫』著者・植原翠インタビュー 「日常の中にある、ちょっと不思議な出来事を書きたい」

 https://realsound.jp/book/2023/02/post-1264021.html

 

*3 サントリーのエコ活「水大辞典」

「水は物を溶かす天才です。海水には60種類以上の元素が溶け込んでおり、地球上に存在するほとんど全ての元素が海水中に溶けて存在しています。」

https://www.suntory.co.jp/eco/teigen/jiten/science/02/


おまけの言葉遊びです。

「おもちさん」の名前には、ふっくらボディに由来する以外の秘め事があるかもしれないと感じたので、探ってみました。

 

1 ローマ字にすると

【 omoti san 】

 

2 並び替えてみると

【 sono mati 】 → 「そのまち」 → 「その町」

 

3 さらに並び替えてみると

【 sonoti ma 】 → 「そのち  ま」 → 「その地  真」

 「真 (ま) 」には、「純粋であること」、「正確にその状態にある意を表す。」、「美しい」などの意味があるそうです(出典:Webio辞書)。

 

4 考察

① 「おもちさん」の名前は、かつぶし町を指し示しているようだ。

② そして、その地(町)は、あるがままを良しとする土地柄のようだ。

 

5 結論

そうすると、おもちさんの名前は、あるがままを尊ぶかつぶし町を象徴していそうです。

これが意図的でないとしたら、自然と植原先生の「受け止める」という想いにリンクしているように思えます。


illusionists

 

Vocal: 筑前煮

Arranged,Piano, Mixed and Mastered: REN (Anddy Mule)  

 

Special Thanks: ことのは文庫編集部  "Omaneko-Breeder"  O (オー) 様


 Guitar Arranged: fillin

 Guitar: Jason Roller (AG) 、Dave Clevland (EG)   [ Sampling from "Band-in-a-Box" ]  


Lyrics

それでも

うけとめよう

目の前のそのままのあなたを

 

なぜ、隠れているの

こうしてそばにいるよ、いつも

ほらね 



CD Cover Design


タイトル面

クレジット面


ピアノバージョン


内側


メロ譜

カラオケを含めたMP3音源、メロ譜をダウンロードできます。

よかったら歌っていただけると嬉しいです。

ダウンロード
歌入り
Uketomeru_Master.mp3
MP3 オーディオファイル 1.5 MB
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カラオケ
Uketomeru_OffVocal_Master.mp3
MP3 オーディオファイル 1.5 MB
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ピアノソロ
Uketomeru(Piano Solo)_Master.mp3
MP3 オーディオファイル 1.6 MB

ダウンロード
メロ譜.jpg
JPEGファイル 866.5 KB


おま猫シリーズ・発売カウントダウンのツイート画像まとめ

第1巻 あやかしの町のふしぎな日常

第2巻 おもちとおこげと丸い月



ファンアート画像 ( Twitterの再掲 )

第1巻・第3話「ジュブナイル」イメージ

第1巻・おあげちゃんが見る風景イメージ

第1巻の重版に寄せて

考察・2023年の運気